あるエンジニアの
バークレー
(アメリカ・カリフォルニア州)
留学体験記


はじめに

私は、1990年7月から1992年6月の間、キヤノンからの留学生としてカリフォルニア大学バークレー校に留学していた。以下の文章は、1993年の夏、キヤノンのエンジニアだった頃に書いたアメリカについてのエッセイである。実は、「ノンフィクション大賞」という賞に応募した作品だったが、箸にも棒にもかからず落選した。最優秀賞は、サッカーのドーハの悲劇を書いた文章だったから、私の平凡な体験はそのようなはでな賞にはふさわしくなかったのだろう。しかし、このような平凡な個人体験の中にも、何らかの価値はあろう。そう思って、眠っていた文章を久々に取り出してきてHPに載せてみることにした。

今や日本でもセクシャルハラスメントがクローズアップされていたり、フリーターが増えていたり、オーム真理教の事件などを経て宗教についての議論が盛んになっていたりする。このため、今読み返してみると10年近く前の体験記はすでに古くなってしまった感のある部分もなくはない。

しかし、アメリカは、日本のような一過性のはやりすたれの少ない国である。なぜなら、アメリカは、周りの環境に左右されない独立した個人の集団だからである。だから、アメリカの基本はなかなか変わらない。そういう意味では、私がアメリカで感じたことは、今も生きていると言えよう。そこで、これからの日本や世界を背負って立つ若い人に少しでも読んでもらえたらと思い、駄文をHPに掲載した次第である。読まれた方は感想などをお送りいただければ幸いに思う。(2000年11月)


注)プライバシー保護のため,本文中の人名は一部変えてあります。



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