Experiment


12. IPTの仕組み

CS Galleryを使用するにあたり、IPTの基本的な仕組みについて学習します。
CS Galleryは3面スクリーンで構成されたCAVE型のIPTディスプレイです。CS Galleryは動的負荷分散機能等の先進的な機能も備えていますが、ここではPCクラスタによる基本機能だけを使用することにします。


12.1 CS Galleryのシステム構成

CS Gallery(Cyber Space Gallery)は3面スクリーンのCAVE型のIPTシステムで、以下のシステムによって構成されています。

・Linux PCクラスタ(Dell Precision 380, OS:Fedora Core4、CPU:Intel Pentium4 3.80GHz, グラフィックスボード:NVIDIA FX1400) 3台
・スクリーン(正面:リアソフト2.63m×2.10m、右面:リアソフト2.10m×2.10m、床面:フロントハード2.63m×2.10m) 3面
・DLPプロジェクタ(NEC ViewLight LT245J、円偏光フィルタ) 6台
・円偏光メガネ 数個
・磁気センサ(Ascension Technology Corporation Flock of Birds) 2センサ
・ハンディキーボード(HandyKey Twiddler2) 1個

このシステムでは、利用者の視点位置の計測に磁気センサFlock of Birdsを用い、計測データを受け取ったPCは残りの2台のPCにデータを送信することで視点移動に関するPC間の同期を取っています。立体視映像の生成は各スクリーンごとに1台のPCを用いて左右の視点映像を生成し、デュアル出力により各DLPプロジェクタへ送っています。また、3面スクリーン構成で床面に投影された映像はいろいろな方向から見ることがあり得るため、プロジェクタからの出力映像は円偏光フィルタを用いており、利用者はこれに対応した円偏光メガネを用いることで立体視映像を体験します。

下図はCS Galleryのシステム構成を図示したものです。


                  図:CS Galleryのシステム構成


Ascension Technology Corporation Flock of Birdsに関する情報は以下を参照してください。
http://www.ascension-tech.com/products/flockofbirds.php

HandyKey Twiddler2に関する情報は以下を参照してください。
http://www.handykey.com/site/twiddler2.html


12.2 動的負荷分散用システム

CS Galleryで使用する計算機としては、上記の基本構成と別に7台のPCで構成されたPCクラスタも用意されており、動的負荷分散機能等の先進的な技術を使用することもできますが、本実験ではこちらの計算機は使用しないことにします。参考までに、以下は動的負荷分散用の計算機システムの構成です。

・Linux PCクラスタ(HP XW6200, OS:RedHat 8.0、CPU:Intel Xeon 3.4GHz, グラフィックスボード:NVIDIA FX3400, コンポジタボード:ORAD DVG) 6台
・制御用PC(HP XW6200, OS:RedHat 8.0、CPU:Intel Xeon 3.4GHz, グラフィックスボード:NVIDIA FX3400) 1台

下図は動的負荷分散型システムを用いた場合のCS Galleryのシステム構成を図示したものです。


                 図:動的負荷分散型CS Galleryのシステム構成

ORAD DVGに関する情報は以下を参照してください。
http://www.orad.co.il/downloads/dvg-vrx.pdf


Contact: Tetsuro Ogi