ハートとお母(かあ)さんにかけられた魔法(まほう)はとけ、元(もと)の姿(すがた)に戻(もど)ることができました。 4つの冒険(ぼうけん)をやり遂(と)げたハッピーは、元(もと)の弱虫(よわむし)ではありません。
シルバ国(こく)の国民(こくみん)みんなが、幸(しあわ)せに包(つつ)まれていました。 そしてシルバ国(こく)を包(つつ)んだ虹(にじ)は、マネ王(おう)の心(こころ)をも変(か)えました。 マネ王(おう)はハッピーに言(い)いました。 本当(ほんとう)に国王(こくおう)にふさわしい人物(じんぶつ)はハッピーにちがいない。この王冠(おうかん)を受(う)け取(と)ってほしい。 しかし、ハッピーはマネ王(おう)が差(さ)し出(だ)す王冠(おうかん)を受(う)け取(と)りませんでした。 ハッピーは答(こた)えます。 ボクはこの旅(たび)で成長(せいちょう)できました。でも、もっと多(おお)くの国(くに)を見(み)てみたいのです。 多(おお)くの人(ひと)に出会(であ)い、幸(しあわ)せを分(わ)かち合(あ)いたいのです。 そして、このシルバ国(こく)はボクの故郷(こきょう)です。旅(たび)から帰(かえ)ることのできる場所(ばしょ)なのです。
国民(こくみん)みんなの笑顔(えがお)に、マネ王(おう)は幸(しあわ)せを感(かん)じていました。 国民(こくみん)たちは口々(くちぐち)に偉大(いだい)なる王様(おうさま)をたたえました。 「マネ王(おう)バンザイ!」 王様(おうさま)の目(め)から温(あたた)かいなみだがあふれました。 国民(こくみん)たちよ、ありがとう。皆(みんな)が国(くに)を支(ささ)えてくれているのだ。 私(わたし)の心(こころ)はようやく、満(み)たされた。
その頃(ころ)、あの魔女(まじょ)は…宮殿(きゅうでん)から逃(に)げようとしたところを家来(けらい)たちにとらえられます。 殴(なぐ)りかかろうとする国民(こくみん)たちをハッピーたちが止(と)めました。 「魔女(まじょ)をキズつけてはダメです。ボクは魔女(まじょ)のおかげで、ボクは勇気(ゆうき)と自信(じしん)、そして幸(しあわ)せを手(て)に入(い)れたんだ!そして、自分(じぶん)が生(い)きる道(みち)がわかった。ありがとう!」 そんなハッピーの言葉(ことば)に、魔女(まじょ)の心(こころ)もとけていきました。 子(こ)どものように泣(な)きじゃくる魔女(まじょ)を、国民(こくみん)みんなが見(み)守(まも)っています。 魔女(まじょ)もまた、幸(しあわ)せに飢(う)えていたのです。 こうしてシルバ国(こく)は、国民(こくみん)が一生懸命(いっしょうけんめい)に働(はたら)き、栄(さか)え、豊(ゆた)かな国(くに)に生(う)まれかわったのです。 そして……ハッピーはまた新(あら)たな旅(たび)に出(で)かけたのでした。