研究開発グループの概要と成果

各研究開発グループの成果

各研究開発グループの概要

グループa 遠藤 薫 教授(学習院大学):社会的ビューポイントからのSoS評価

技術システムから得られる利便性・効率性・生産性などと、社会的価値(社会関係資本、社会満足度、生活満足度、一般的信頼、幸福感など)との相互作用(関係)を意識調査やビッグデータ解析などにより測定し、エージェント・ベースト・シミュレーション・モデルなどとして一般モデル化することにより、テクノロジーの社会的適合を促進し、社会的価値を向上させて、社会のレジリエンシーやサステナビリティを確保するためにSoSとして満たすべき抽象度の高い約定を定義する。

グループb 貝原 俊也(神戸大学):社会シミュレーション・システムデザイン

構想駆動型社会システムマネジメントの確立には、社会実装を目指す社会サービスシステムのSoSアーキテクチャの定義とそのモデル記述とともに、多様な価値を持つ人の介在により時間の経過とともにあるべき姿が変化し続ける社会サービスシステムを、より良い方向へ進化させるためのビジョンや知識の枠組みが重要課題となる。そこで我々のチームでは、要求仕様そのものが絶えず変化し続けるという特徴を持つ社会システムを、利用者側での価値創㐀を積極的に考慮したマンマシン共生系として捉え、スパイラルアップ型の社会システムの発展を考慮した包括的な計算論的モデリングやシミュレーション技術に関する基礎調査を行う。

グループc 滑川 徹(慶應義塾大学)
都市エネルギーシステムのモデル化と分散最適化アルゴリズムの構築

電力ネットワークにおける電力需要予測と再生可能エネルギーによる発電量予測法と、これによるエネルギー管理の最適スケジューリング法を開発する。また需要家のエネルギー利用に対する効用とコスト意識の経済モデルを構築し、価格設定に基づくデマンドレスポンスのメカニズムを明らかにする。更には大規模動的Virtual Power Plant (VPP) の構成とその最適運用について検討する。最後に上記システム全てを包含する大規模都市エネルギーシステムに対して、階層ネットワークモデル表現を行い、システム全体の効用最大化へ導くためのサブシステムへのPlug & Play型の分散最適化アルゴリズムの開発を行う。

グループd 永原 正章(北九州市立大学)計測・制御APIの開発とクラウ ドSoS

本グループの研究開発の目的は、SoSアーキテクチャにおける実装レイヤーを開発し、社会実験により概念実証を行うためのフィールド開発を行うことである。まず、物理世界とサイバー世界をつなぐ計測および制御APIを開発する。また、それらをクラウド上で仮想的に接続してネットワークを形成し、動的再構成を可能とするためのクラウドSoSを構築する。さらに、北九州東田地区において実証実験フィールドを計画・設計し、社会実験環境を準備する。

グループe 戸辺 義人(青山学院大学)社会システム利用に向けた人行 動パターンの情報化

公共空間・プライベート空間に設置された無線LANアクセスポイント等の接続状況および電波強度を用いて、実世界における地域住民の行動パターンの傾向を取得したり、レーザレンジファインダ等のセンサ機器を用いて人の行動を取得するなど、実世界における人の行動をマクロに把握するシステムを開発する。さらには匿名化した上で、REST APIをとおして情報にアクセスできるようにすることで、他ソフトウェアモジュールで活用可能なシステムを目指す。